6月25日 本日のお魚情報
『上りカツオ水揚げ本格化はじまる。』
 早春2月ごろから始まった太平洋を北上する「上りカツオ」。巻網での水揚げが本格化し、マダイと入れ替わるようにセリ場での存在感を増してきました。これから東日本では宮城の金華山あたりを中心に、千葉の勝浦を加えた200〜300t/日の水揚げが7〜8月には500rへと伸びていきます。下りカツオに比べ脂がないと評されますが、7月には金華山あたりのカツオは黒潮・親潮の潮目に到達。多くの餌を捕食し皮目には脂が乗りはじめ食欲をそそります。
 従来の青森の魚食文化にはカツオはなく、以前はあまり食べられていませんでしたが、某県外量販店の進出にしたがい食卓にのぼる機会が増え、すっかり馴染みの魚となりました。気温・海水温が上昇し、カレイ類やタラといった底魚からスルメイカ、マグロ、アジ、イワシなどに水揚げがシフトしてくるこの時期。まだ肌寒いですが、今年も猛暑が予想される?夏を先取り。まずは「上りカツオ」で夏対策してみてはどうでしょう?
 2012年6月11日 月曜日
『帆立貝』
 6月に入り、最高気温が20℃を超え、日差しの強さを感じる日も多くなってきました。
 一方、青森県を囲む三方の海域の海水温も平年並みとなり、青森市場には天然真鯛や天然ホヤ等の鮮魚品の入荷が多くなっています。
 さて、6月の記念日といえば17日の父の日が最大のイベントとなりますが、青森県産の魚介の記念日では18日が「ほたての日」となっています。そこで、本日は陸奥湾産の帆立貝を紹介します。
昨年は、一昨年の夏季の高水温の影響により、水揚げは大幅に減少しましたが、今年は二年貝を主体に約6.9万トンの供給量が見込まれています。各小売店でも帆立貝の陳列が目立つようになっています。サイズは例年より小型の10k60枚主体に入荷しています。相場は、不漁であった昨年より4割ほど安くなり平年並みになってきています。低水温の影響から貝柱の歩留まりも今のところ約12%と例年より2割ほど低くなっていますが、陸奥湾の海水温が平年並みとなってきており、これからの向上が期待されます。
 また、陸奥湾産帆立貝は旬の時期に入ってきており、他産地と比べグリコーゲンが多いことから、甘みのある美味しさを味わえる季節を迎えています。夏に向かいアウトドアライフが多くなり、これからの季節はバーベキューを行う機会が高まるとともに主役の食材の一つとなりますが、今年は、17日(日)の父の日、18日(月)ほたての日と続くことから、インドアライフでも記念日の際に食卓の主役の一つとして、和洋中と色々な料理を楽しめる地元の旬の味覚を是非召し上がってはいかがでしょうか!
 2012年6月4日 月曜日
『赤貝』
 ヘルシーな食べ物として、グローバル食品となった寿司ですが、定番といったらマグロ・ヒラメ・ホタテ等が日本人には、多く好まれています。また寿司の中でも存在感があるネタとして「赤貝」がありますが、青森県のむつ湾は全国有数の生産量を誇ります。
 むつ湾では、昭和20年代に天然赤貝が1,300t余りも漁獲されていましたが、昭和40年代には数10tまでに減少してしまい、「赤貝」は漁獲されなくなってしまいました。しかし、川内町漁協が10年ほど前からホタテ貝養殖と同様の手法で赤貝養殖に取組み、ホタテ貝・ナマコに次ぐ主要魚種にまで育て上げました。
 川内町漁協の話として、一昨年のむつ湾の高水温により、ホタテ貝同様に「赤貝」も被害を受け、平成21年には24t水揚げされていた数量が、平成23年には10t程度までに落ち込んでしまったそうです。「赤貝」は出荷までに4年間の養殖期間を要するため、回復するまでにはまだ少し時間が必要のようですが、少ないながら今年は幾分出荷は継続されています。
 旬は冬から夏の産卵前までなので、貝特有の香りと旨味が強いむつ湾産の「赤貝」を是非、ご賞味頂ければと思います。