5月28日 本日のお魚情報
『本マグロ本格回遊始まる』
 東奥日報紙上に「岩崎漁港でマグロ水揚げ本格化」の記事が掲載されたのは5/17。
以降、10k台から大型は50〜60k台と定置網で漁獲された本マグロの入荷が増えています。雨が降り、川水の入った先週末・昨日の定置網はマグロに嫌われ水揚げが悪かったのですが、九州・山陰などの日本海側からはメジマグロの入荷があり、気温の上昇とともにマグロ売場は活況を呈しています。
 日本海・津軽海峡を回遊し産卵場所に南下するまで止まることなく泳ぎ続け、若魚はカタクチイワシ、マイワシ、キビナゴなど、成魚になるとトビウオ、カツオ、イカの他、カレイ類やヒトデなどの底生物をも、貪欲に捕食し続け産卵に備えます。マグロが数多く揚がり出すと、マグロ漁の吉凶はもとより、餌となっている青物やイカ類の水揚げ量も占われることから、その動向に非常に注目が集まります。今年の海水温は雪解け水が例年より多く注いでいるため低水温が続いており、どの魚種も水揚げが半月から1ヶ月遅れ、水揚げ減が懸念されております。陸でも田植えもやっと終わったばかり。夏には捲土重来を期待したいものです。
 2012年5月21日 月曜日
『まぼや』
 今年は春の訪れが遅かったこともあり、春が旬の魚介の入荷も遅れておりました。この要因の一つとして、青森を囲む海域の水温が4月まで平年より低かったことに起因しています。月が変わり気温の上昇とともに、5月中旬にはようやく平年との差が縮まり、海域全体の平均値では若干ながら上回ってきました。青森市場では水温の上昇とともに、トゲクリガニ、真鯛、ブリ、マボヤなどの近海魚の入荷が目立つようになってきています。
 そこで、今回はこれから夏に向かって旬の季節を迎えるマボヤを紹介します。
 青森市場には、陸奥湾久栗坂で生産される養殖物と下北地区の大間、野牛そして川内を主産地とする天然物が入荷しています。特に先週から天然物の入荷が多くなってきています。
 入荷水準は、養殖物は28玉主体に前年の半分のレベルで日量100箱程で、天然物は約7kに20玉前後で前年比7割程度の50〜20箱、多い時は100箱程と売場でも目立ってきています。尚、年間では養殖による生産が全体の7割を占めています。
 5月は水分が多く殻が大きめですが、6月から徐々に身入りが向上し、夏場の7月から8月には最も歩留まりが良くなります。
 これから山菜シーズンが本格化してきますが、料理面では代表的な山菜の一つ「みず」や「きゅうり」との相性が良く、海の幸と山の幸の旬の味覚を味わえる季節が間近となっています。
 今年は生産量が少なく価格は例年より高めですが、初夏から夏が旬のマボヤを見かけましたら、是非季節の味覚をご賞味ください。
 2012年5月14日 月曜日
『ヤリイカ』不漁で終了か?
 例年12月から翌年5月にかけ青森県の日本海沿岸を中心に主漁期を迎えるヤリイカが、今漁期は不漁続きで終盤に来ています。県の統計によると1990年代に年間2千〜4千トンで推移していたヤリイカの漁獲量は、2000年代に入り2千トンを割り込む年が目立ち、この近年は千トン前後までに減少し、今漁期は500トン前後に留まっている。
 又、今冬の寒波の影響が長引き、海水温の上昇が遅れていることと時化続きの影響で、各浜の水揚げが極端に悪く、ヤリイカに限らず当市場へ例年入荷する魚種の大半が半月から1ヶ月程度、ずれ込んでいるようです。
 ヤリイカは残り少ない漁期ですが、春から夏にかけて産卵する今の時期は、子持ちイカが多く、丸のまま甘辛く煮付けるともっちりとした卵は、特に美味に感じられます。不漁傾向のヤリイカはもうすぐ終了しますが、これから本格化するスルメイカは豊漁を期待したいものです。
 2012年5月8日 火曜日
『さわら』
 休市となった5/5〜6のGW。天候に恵まれなかった為、花より「団子」を担う飲食店が、青森の味覚を求める観光客、帰省客で例年より賑わいを見せておりました。
 翌日。GW明けの売場。どんよりした天候がそのまま持ち込まれたような売れ口。祭りの後といったところでしょうか。こんな時には旬の新モノをご紹介して気勢を上げていきましょう。
 下北・尻労あたりではすでに水揚げが見られていましたが、今朝セリ場に並んだのは深浦水揚げのもの。はるばる日本海の西の方から回遊してきたものです。まとまって並んだギンギンの皮の輝きはまるでミラーボール!
 産卵後の夏場を除き、ほぼ年中うまい魚。桜の花盛りの頃に獲れるサワラを和歌山では「桜鰆」と呼びサワラを春の「使者」としています。水分がサバの65%などと比べて70%とやや多く、肉質は軟らかで身割れしやすいことから尾に近い部分が美味。関東は寒鰆を好み、塩焼きと西京漬けが中心。関西は春鰆を好み、刺身、照焼、塩焼き、西京漬け、かぶら蒸し、押し寿司などで賞味されます。
 では今の青森でのおススメしたい食べ方は?それは刺身。まだ水温が低い時期での水揚げのため脂肪が多く、マグロのトロの様なトロリとした食感が味わえます。やわらかい身肉。そして皮と身の間の独特の香りを生かすため、皮をつけたまま造りにします。
 ギンギンな皮の輝きを想像しただけで、食欲がフィーバー!してきませんか?ぜひご賞味ください。