6月29日 本日のお魚情報
フジツボ
 青森珍味の代表格??までに出世したフジツボ。初夏を迎えた近頃、セリ場に陸奥湾の養殖ものが毎日のように上場されるようになりました。とはいってもまだまだ「高級珍味」ですので歩留まりまで考えてしまうと非常に高価です。タテジマフジツボ、シロスジフジツボ、イワフジフジツボ、ドロフジフジツボ・・・といった具合に日本には200種ものフジツボが生息しているそうで、どこの岩壁にでもへばりついているのに何でこんなに高価なのだろうと思ってしまいますが、養殖されているのはミネフジツボという種類で大きくなるまで非常に手間と時間がかかるそうです。
  生物学的には甲殻類に分類されており、固い殻やフタはカニやエビの背甲に相当し、内部には頭や胸部、蔓脚(まんきゃく)と言われている足を持ち、甲殻類の特徴を備えています。蒸してから食してみるとさらに甲殻類であるという確信が深まります。口ばしをラジオペンチで引っこ抜いてみると口ばしを動かす繊維質な筋肉はカニ肉そのもの?黄色く柔らかい内臓はアン肝の様なねっとり感のあるカニミソ?エビ頭みそ?ウニ?卵黄?の様な味がします。汁を飲むのを忘れずに!
  将来、養殖技術が発達し大量に生産ができるようになれば、ホタテの様に青森特産となるかもしれませんね。
 2010年6月22日 火曜日
マアジ
 本日は、庶民の代表格として食卓にのぼる機会が多く、これから旬を迎える「マアジ」を紹介します。
 生息域は、北海道から東シナ海までに生息し、日本各地の沿岸に分布していることから、古来より日本の食生活になじみの深い魚の一つです。県内では各地で水揚されますが、外ケ浜地区が主産地となっており、数量的には秋に入荷します。主な漁法は定置網、巻網です。
 鮮魚売場では、いわゆる青物といわれマイワシ、サバとともにアジは生鮮3品の重要魚種として扱われ、DHAやEPAを多く含むことから健康効果も高く、旨味成分の一つイノシン酸を含み、味のよさでも評価の高い魚です。マアジにはブランドが多く、関アジをはじめ岬アジ、瀬付きアジ、ゴンアジ、旬アジなど高級魚の位置づけのものが多数あります。
 現在、青森市場では秋田・富山産定置網物を主力とした1尾約50g〜250gサイズ物中心に、他三重や境港産巻網物などの入荷となっています。今年は例年に比べ水揚げはおよそ半分位になっており、100g以下が多くを占めており、サイズの小さいマアジは市場価格で1尾当たり50円以下で取引きされており、非常にお買得となっております。
 旬は地域により違いはありますが、一般的には夏です。食べ方はたたき、塩焼き、刺身、フライ、寿司種など。通年水揚げされることから、季節により多様なメニューを味わえます。
  青森の今週の予想最高気温は25℃と夏日が予想されることから、今が旬のマアジのお刺身やタタキを食し、涼味を味わってみてはいかがでしょうか?
 2010年6月17日 木曜日
『蛸』を食べよう
 4年に一度の祭典、2010年FIFAワールドカップサッカー南アフリカ大会も開幕し、14日に日本代表が国外開催のW杯で記念すべき初勝利を挙げ、梅雨空を吹き飛ばす明るい話題を提供してくれました。是非、残り2戦に勝利し決勝に進んでほしいものです。
 アフリカといえば、水産業界に携わっている私どもは真っ先に「タコ」を連想してしまいますが、これから夏に向けてお刺身・から揚げ・サラダなど多彩な味が楽しめる食材の一つです。
 春の休漁期にあった西アフリカ(モーリタニア・モロッコ)の夏ダコ操業が、モーリタニアの壺を皮切りに順次解禁する見込みで期待したい処です。ちなみに、西アフリカからの昨年の夏ダコ搬入量はモーリタニアが11,042トン(前年3,325トン)、モロッコが4,220トン(1,790トン)、両国合わせて15,262トン(5,115トン)でした。
 また、7月2日は「半夏生」という日本古来の風習がありますが、農作業に携わっている方は勿論ですが、タコの八本の足は末広がりを意味し、吸い付くように地を這うことで、経営面での地盤が出来る縁起の良い食物とされています。栄養面でも、タンパク質、タウリンが豊富に含まれていることから、動脈硬化や肝臓病、視力低下の予防に効果があるとされており、暑い夏を健康的に乗り切るために、食してみてはいかがでしょうか?!
 2010年6月7日 月曜日
青森県産天然もずく
 初夏を迎え、天候にも恵まれ、セリ場は県内各地からの入荷が多い日が続いています。
その中でも、新物が入荷し注目度が高くなっているのが「天然もずく」です。通年商材としては「沖縄もずく」が圧倒的な量で市場を席捲していますが、今入荷している青森県産の天然もずくは初夏しか漁獲されない旬のものです。
 青森県産もずくといってもいろいろ呼び名があり、現在またはこれから収穫される物は「花もずく」「草もずく」「ゴモもずく」と呼ばれているもので、海に浮遊するアカモクなどに繁茂している西海岸方面で漁獲されているものです。ぬめりが多く食感も柔らかいのが特徴です。それと反対にシャキシャキとした歯ごたえが特徴の「岩もずく」は、夏が深まってくると西海岸や下北地区の岩礁に繁茂しています。
 多彩な味わいが楽しめる「青森県産天然もずく」ですが、実は生物学的には沖縄もずくと共にナガマツモ目ナガマツモ科に属しており、同じ仲間ではあるものの厳密にはもずくではありません。ナガマツモ目モズク科は「細もずく」と言われているもので、流通量の1割にも満たないものです。見た目が似ているので、総称で「モズク」と呼んでいるうちにすべてが「○○もずく」と呼ばれるようになったのでしょう。
 さまざまな種類の天然もずくが水揚され、食べ比べができるのは青森県に住んでいるからこその贅沢ですね。