9月25日 本日のお魚情報
マサバ
 日本近海で主に流通しているのはマサバと、ゴマサバの2種。マサバは秋が旬で、脂肪含有率の多い順に北海道沖→八戸沖→三陸沖→常磐沖→銚子沖→伊豆沖。特に八戸沖で水揚げされる脂肪を蓄えた戻りのサバは最良とされる。南の九州沿岸で水揚げされるマサバは冬が旬とされ、「寒サバ」とも称する。また、ゴマサバの旬は春から初夏。栄養面にも優れ、青魚に特に多く含まれるEPAやDHAが効能面で評価が高い。
 古くから日本人に馴染み深い大衆魚で、各地に郷土料理がある。本県でも八戸サバの加工品は県南商品の代表格である。その中でも代表的な”しめさば”(「〆サバ」、「締めサバ」)は酒の肴として絶品。また、高級魚としての位置付けも盛んに行われ、ブランド名が多い魚のひとつ。マサバでは本県は八戸前沖「銀鯖」、豊後水道の「関サバ」・「岬サバ(はなさば)」、三浦市松輪の「松輪サバ」、ゴマサバでは屋久島の「首折れ鯖」、土佐清水市の「清水サバ」など数多くの地域ブランドが展開されている。
 旬のサバで、みそ煮や水煮、塩焼きそしてシメサバなどで、秋の夜長を味わってみてはいかがでしょうか?
 2009年9月7日 月曜日
まもなくブリの季節を迎えます
 朝晩めっきり冷え込むようになり、セリ場の魚種にも少しずつ変化が見えてきました。
 秋の代表格といえば、まず秋鮭が挙げられますが、今回は秋鮭に劣らず日ごとに存在感を増してきているブリに注目してみたいと思います。
 まだブリはさほど揚がっていませんが、イナダ、ワラサの魚体で泊、白糠、西海岸深浦少々。そして、岩手の宮古で揚がっています。ブリはワカシの頃は沿岸にいますが、イナダ、ワラサと成長するにつれ回遊し始めます。今は日本海側の水揚げが少ないですが、10月を迎える頃には増えてくるものと思われます。
 ブリは日本海産の評価が一般に高いことが多いです。捌いてみると一目瞭然で太平洋産はピンク色ですが、日本海産は真っ白でこってりと脂が乗っているのがわかります。養殖物との差異は、旨みではエキス窒素、ヒスチジン、トリメテルアミンオキサイドといった成分で天然物が上回りますが、逆に脂肪分では天然物は夏で5〜7%、冬で10%、養殖物は夏で8〜15%、冬で25%と身質で大きな違いが見られます。
 ブリは北にも回遊しますが元来は西の魚です。養殖魚のハマチという呼び名も西で始まった事業であることから関西の方言であるハマチが当てられているように、フォッサマグナを境にブリ文化圏と鮭文化圏に分けられるほど地域に密着した魚です。青森の正月はタラですが、西では雑煮に入れられるほど珍重されています。
 青森では刺身か焼き物で食べられることが多いようですが、これから寒ブリが続々と水揚げされてきます。9月〜11月ぐらいまではお手頃な価格になる場面も出てくると思われます。関西風の料理に挑戦してみる良い機会とされてみてはどうでしょうか?

※ ブリの呼び名
東北・関東〜ワカシ(15cm)〜イナダ(フクラギ)(40cm)〜ワラサ(60cm)〜ブリ(100cm)
 関 西 〜ツバス〜ハマチ〜メジロ〜ブリ
 能 登 〜ツバイソ〜フクラギ〜ガンド〜ブリ